追記

東電、14日から輪番停電 「少なくとも1週間続く」

東京電力は12日午後7時半から都内の本社で記者会見し、14日の月曜日から輪番停電を実施する方針を明らかにした。13日の日曜日は回避するが、週明けは大口需要家の工場の稼働などで電力需要が拡大し、供給力が足りなくなる見通しのため。会見で藤本孝副社長は14日の電力需給予測について、「需要が 4100万キロワットに対し、供給力は3100万キロワット程度で、1000万キロワットほどショートする」と述べた。期間については未定だが、「少なくとも1週間ぐらい続くのではないか」と述べた。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E3E0E2E6868DE3E0E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

地震

地震が起きてからまだ28時間しか経っていないが、今の思考を備忘的にしるす。

  • 発生時

平日昼間だったので東京23区内のオフィスで遭遇。高層ビルであるため大いに揺れた。また、免震のためか、ビル全体が大きく振動した。「地震酔い」というものを初めて経験した。
PC等、重そうなものが飛んでこないか気にする程度の余裕はあったが、あとで聞くと、キャスター式キャビネット・プリンターが重量的に要注意であるそうだ。

  • 状況把握

致し方ないことだが、気象庁等のwebは非常に繋がりにくくなった。
twitterワンセグ携帯等を併用するのがよいと思った。
この時点で震源は岩手-宮城の沖とわかる。マグニチュードは7.xとされていた。
震源方面では、ここから津波到達まで非常に時間がなかったことになる。

  • 通信手段

家族は全員別の場所に居た。
当然ながら電話は繋がらず(一度だけ試したが直ぐ諦めた)、携帯メールで同報する手段を取った。このメールに対し、「全員へ返信」することが出来る環境の場合、家族間の安否確認がやや容易になる。
注意点としては、

    • 携帯キャリアによってはメールそのものがかなり遅延することを認識する。
    • メールがサーバから自動的にプッシュされないことがあるので、問い合わせが必要な場合があることを認識する。

1点目に対する対処として、今回実感したこと。twitterが大変役に立った。用途に応じてツイート/DMを使い分けるとよい。ソフトバンク携帯の人と最初に連絡が取れたのはtwitterのDMだった。

また、携帯電話のバッテリーについては非常に運が良かった。
乾電池式かつUSB式の充電器+会社PCで充電可能だったため、バッテリーを気にするタイミングはほぼなかった。同僚で同キャリアの人に使いまわしも効くため、非常に重宝がられた。
ただし、これは会社が停電していない前提。自分は別途乾電池2個を持っていたが、この場合はあまり足しにならなかっただろう。太陽光でチャージできる充電器が必要かもしれないと感じた。

  • 交通マヒ

首都圏の全路線が運転見合わせ。
当日は完全にハングアップかと思われたが、地下鉄・私鉄の一部が22時ごろから復旧しだした。これにより会社に残っていた大半が帰宅を試みることに。徒歩の人はかなり苦労した模様。
私はJRだったので宿泊。

  • 名称

東北地方太平洋沖地震」という名称に異議がある。
茨城に弟がいるから言うわけではないが、関東においても停電・断水が今も解消していない地域がある。「東日本太平洋沖地震」に改称できないものか…

  • 一日明けて

そうはいっても南関東はもうほぼ平時状態である。
例外は電力と、一部鉄道がまだ運転再開していないこと、スーパーコンビニにほぼ食料が無いことくらい。
以下を参考にされたい。

提案:関東在住の人の12日、13日の過ごし方
http://d.hatena.ne.jp/next49/20110312/p1

なお、東京電力が13日の輪番停電を回避するとの報道あり。
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C93819696E3E0E2E6938DE3E0E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2


それから、保険会社勤務としては、以下のニュースにも言及しておきたい。
あくまでも私見だが、全社この方向性となる気がする。

日本生命保険第一生命保険住友生命保険明治安田生命保険太陽生命保険の生命保険各社は12日、被災した契約者に対して災害関係の特約である死亡保険金や入院給付金を全額支払うことを決めた。富国生命保険も同様の措置を取る方向で検討している。保険金の支払いに関する審査も簡素化し、迅速な支払い体制を整える。
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E3E0E2E3918DE3E0E2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

それにしても、今日が平日でなくて個人的には非常に助かった。。。

公平性。

欧州司法裁判所、性差に基づく保険料設定を禁止
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_190273
保険の男女別料金は違法 欧州司法裁が是正命令
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011030201000198.html

生保アク(受験生)らしい話題を。

理論的には、同一の保険料を適用する集団は同程度のリスクをもつ集団でなければならない。これを「保険技術的公平性」という。
一方で、高リスクの人の保険料率が高騰して必要な保険に加入できないことや、先天的疾患に対して区分をすることが社会的に問題視されたりする。社会的に容認されない要素で料率区分をしないことも重要である。明確な定義は無いが、これを「社会的公平性」ということにする。

頭記のニュースは、社会的公平性に重きを置いたことになる。もともと欧州では一部で男女同料率であったが、ここまで明確に断じるのはちょっと驚き。原則主義的過ぎやしないか。豪州や英国の例を今教科書*1で確認しているが、「信頼できる裏づけデータがある」等の条件付で男女別料率が認められている。そして、男女のリスク差の裏づけデータなんて最も豊富だと思うのだが。(年齢による差の方が多いか?)

ただ、ことわっておくと、何が何でも男女別に分けなさいと主張する気もない。例えば、ターゲットにする年齢層にもよるが、貯蓄性だったら男女同率でもいいんじゃないかと思う。一方、変額年金はそろそろどこか男女年齢別を打ち出してもいいのではないかと思うのだが、販売上面倒になりそうで、やっぱり難しいのかな。理論上正しくても、社会的に受容されない保険は、意味が無い。

気になるのは、契約者配当である。男女同料率にした場合、契約者配当で調整するというのは海外資料でよく見る話。これも違法になるんじゃないのかしら、と思っている。

最後に、僕の文章よりもっと参考になるブログを載せて終わる。
http://blog.livedoor.jp/actuaryjp/archives/1241567.html
http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-990d.html

*1:日本アクチュアリー会「保険1(生命保険)第1章」

電卓トーク

アクチュアリーの人には必需品と言うべき、電卓について書いてみる。

twitterでも触れたが、この業界に入って最初に買った電卓はルートキーがなかった。
しかもその発覚のタイミングが絶妙で、上司から仕事を教わっているときに発覚。
自分でも気づいていなかったのできょとんとしてしまい爆笑される。

そんな電卓はこれ。

カシオ 実務電卓 DW20AN_2007 [その他]

カシオ 実務電卓 DW20AN_2007 [その他]

その後、急いで買ったのがこれ。前の電卓の見た目が気に入っていたので、同系列でルートキーのついている物を。
画面がティルトしてちょっとみやすい。
アクチュアリー試験を受けているうちに電卓の持ち運びがわずらわしくなったので、2個持っている。

カシオ 卓上タイプ 12桁 電卓 DF-120GT-N

カシオ 卓上タイプ 12桁 電卓 DF-120GT-N

世間では桁数が12桁の電卓がスタンダードなのだけれど、この仕事、13桁以上の計算を必要とする場合があるもので。
14桁電卓の登場である。型番は微妙に違うけれど課長もこれを持っている。主計部のスタンダード?

デスクサイズ電卓 14桁 DS-3W

デスクサイズ電卓 14桁 DS-3W

私の知る限り、13桁以上の電卓は数えるほどしかない。
そのうち割と入手が容易なのがこれ。ハンズでも売ってます。
これも会社で持っている人が居るが、その人はメモリーの"M"が表示されないことに不満があるようで。

これから電卓を買う方の一助となれば。
って、ここ見る人はほとんどもう持っているか。

アクチュアリー試験生保2

初めて2次試験を受けたので感想など書いてみる。
今年は生保2に注力したので生保1は受けたけれども割愛。

生保2

第Ⅰ部
問題1
【穴埋め】
(1)事業費モニタリング
(2)保険計理人関与事項
(3)ソルベンシーマージン短期的見直し
【計算】
(4)とある保険株式会社のPLの類推 計算

基本的な問題ながら(1)で言い回しがあやふやになり困る。
(2)はよいとして、(3)は来年出ると思ってたら今年出題。
改正が4月だから十分試験範囲なのでした。社内でよく話題になり、関連資料もざっくり目を通していたのでなんとか。
(4)は税金関連で自信が無くなった。
自己採点(16/20)

問題2
【説明・各用紙1枚】
(1)出再時のV不積立について、法令・監督指針
(2)区分経理における商品区分と全社区分の取引分類
(3)生命保険の長期性・責任準備金の群団性
(4)ストレステストの意義およびシナリオ設定時の留意点

(1)は半分くらいカバーしていたが、勘違いして監督指針にないことを書いてしまったのでやや不安。
(2)は分類?ってなって、知ってる取引を羅列。(3)は暗記。
(4)が完全に盲点で、何にもかけなかった。
自己採点(18/40)

第Ⅱ部
【所見】
(1)金融代理店チャネルの一次払商品を扱う会社のALM
(2)市場整合的EV

相対的に書きやすそうだったので(2)をチョイス。
法定会計との違いは大所は外してないはず、変動要因の分析もかけているのでよし。
だたちょっと後半時間がなくて視野狭窄気味だったかもしれないというのがやや不安要素。


全体通して、うろ覚えが多すぎるな。
実務で触ってて助けられているところが何点あるかちょっとわからない。
肌感覚でわかってるのと実際書けるのとは違うなぁと。

生保1は来年も受けるのが確定なので、切り替えて頑張りましょう。

(参考)
生保1出題一覧
問題1
修正共同保険式再保険
団体保険の商品審査上の留意点
ディスインターミデュエーション
保険商品の価格弾力性

問題2
保険料細分化―公平性
平準払商品の負価V(ただし平準純保険料式に限る)
商品毎収益検証/アセットシェア
低(無)解約返戻金

問題3(所見)
終身保険の予定利率設定
平準払医療保険の商品毎収益検証

2次試験もかなり押し迫ってきたところで焦燥感が日増しに募るこの頃。
結局のところ、「準備状況の予実差=(予定ではここまで準備できてるはずだった)−(現実にはここまでしか準備できていない)」が焦燥感に反映しているのかな。

初めて1次試験を受験した2年前も思ったことですが、今回もなかなか感じがつかめず四苦八苦しています。今思うとマークシートが非常になつかしく感じる。

それでも、保険会社の健全性とは、それを守るためにはどうすればよいか、公平性とは、契約者保護とは、解約返戻金は如何にあるべきか…考えるのはある種楽しさもあり。
実際の業務*1では全く引っ掛からない試験範囲も結構あるし、その点大変だけれども、そのあたりは先輩に聞いたり計理人に聞いたり。過去の経緯を無視する論は駄目、とよく言われる。


さて、このブログに書くことが少なくなった理由の一部は以下の通りである。
・単純に繁忙期にぶつかり、ブログに書く文章をまとめる時間が無い。
・日々疑問に思うことは会社における実務に直結することであることが多く、おいそれと書けない。

1点目はともかく、2点目は線引きが難しい。決算のQ&Aを考える時だって、どこまで公開情報なのか結構慎重になるのに、現在進行形で社内検討している事項をうっかりこんなところでぽろっと書いたら大変だ*2

というわけであんまり書けていませんが、残り41日、試験に向けて頑張ります。

*1:詳細は割愛。所属は主計部。

*2:保険会社の中の人としては、他社の動向とかは結構知りたいもので、各社のディスクロージャー誌とかを見ながら「これはどう処理しているのかなぁ」とか話していることがたまにある。