FACTFULNESS
書店で見かけたので買ってみた。
買った本の帯にあるとおり「“常識”が20年前で止まっている」のだなぁと思った。
勉強しなくなった大人に読んでほしい。
知識はアップデートする必要がある。
あと、データの見方という意味ではアクチュアリーな人には興味がわく内容かも。
冒頭に3択クイズが13問あるので、それだけでも読んで解いてみてほしい。
5/17読み始め、6/23読了。
会社の昼休みを利用してゆっくり読んだだけで、読み通すのにそんなに時間はかからないはず。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
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以下読書メモ。
イントロダクション 13問クイズ 正当数5問/13問
サルがランダムに選択肢を選んだのと同じ正答率・・・
でも、世界中のあちこちでやっても「サル以下」である、というのが本書の切り口。
第1章
疑問:低所得国の定義はなんだ?所得レベルとの関係は?
世界銀行による分類では、発展途上国は「低所得国」「下位中所得国」「上位中所得国」の3つに分かれています。低所得国はGNIが1,005米ドル(約11万円)以下の国、下位中所得国は1,006米ドルから3,955米ドル(約43万5,000円)までの国、上位中所得国は3,996米ドルから12,235米ドル(約134万5,000円)までの国となります。https://www.ide.go.jp/Japanese/IDEsquare/Column/ISQ000007/ISQ000007_005.html
1日約3ドル以下。GNIと所得を単純に比較は出来ないが、本書のレベル2にちょっと引っ掛かっている感じ。だから、低所得国の暮らしもそこそこに見えるのだろう。若干数字のトリックめいている。
- 平均だけじゃなくて分布を見よ
- 極端な値にとらわれない
- 上から見ると違いがわかりづらい
第2章
- 「数値の差が10%程度かそれ以下である場合、その差を基になんらかの結論を出すことには慎重になるべき」
感覚的にそんな気がする。
この20年で中国やインド、中南米の極度の貧困率は様変わりした。
↓著者のグループが運営しているサイト。各国のいろんな指標がビジュアライズされている。眺めるだけでも面白い。
http://www.gapminder.org/tools
- 「悪い」と「良くなっている」は両立する
大事なことだが、忘れがちである。子育ての場面で思い出したい言葉でもある気がする。
- 良い出来事はニュースになりにくい
- 意図的に「同じくらい良い出来事があったとしたら」と考える
- ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい
- 悪いニュースが増えても、悪い出来事が増えたとは限らない
- 監視が厳しくなっただけかも。*1
- 美化された過去に気を付ける
第3章
人口の話。
「(極度の貧困国の)子供たちが生き延びやすくなると、人口が減る」
パラドックスのようだが、筋が通っている。
第4章
テロの話。
危険度を死亡者数だけで語る態度には疑問符。死には至らないが、QOLに影響するファクターはいっぱいあるのでは。
第5章
- 比較と割り算
- ひとりあたりだとどうなるのか?
第7章
- 文化はいずれ変わる
- 上から目線
第8章
- ひとつのものの見方に固執しない
- ケースバイケース
第9章
- 犯人ではなく、原因
- ヒーローではなく、社会の仕組み
- 「いつやるのか、いまでしょ!」
- 焦り本能
ドルストリート
http://www.dollar-street.org
普通の人たちがどんな暮らしをしているかを示している。これも著者のグループによる。
*1:ある種の発生率が上昇した理由が実は検査コストが安くなったから、とかありがちですね。