住生の一時払い終身販売休止

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100220/fnc1002200108000-n1.htm

 住友生命保険が昨年12月に売り出した主力商品の無配当型「一時払い終身保険」について、3月上旬から販売を一時的に見合わせる方針を固めたことが19日、分かった。銀行が販売を請け負う「銀行窓口販売」の商品で、利率が他社商品より有利なことなどから人気が集中。今年度内の販売額が当初目標を数倍上回る4千億円に達する見込みだ。この結果、保険業法で規制する無配当型保険の販売割合を超える恐れが出たため、異例の措置を取ることにした。

 ただ、相互会社形態の保険会社は、契約者に配当が出ない無配当保険が年度内の保険料等収入(売上高に相当)に占める割合が2割以下に規制されている。住友生命の平成21年度の保険料等収入は約3兆円の見込み。この2割の6千億円にはまだ余地があるが「他の無配当保険と合わせると超過する恐れがある」(幹部)と判断し、22年4月以降の新年度まで販売を休止することを決めた。

上記の、「相互会社の保険料等収入中の無配当保険2割規制」の根拠条文

http://www.nn.em-net.ne.jp/~s-iwk/2010-01-01/hou/a063.html

保険業法(平成7年6月7日法律第105号)
第63条(非社員契約)

相互会社は、剰余金の分配のない保険契約その他の内閣府令で定める種類の保険契約について、当該保険契約に係る保険契約者を社員としない旨を定款で定めることができる。
2.

前項の定款には、同項の定めをする保険契約の種類のほか、内閣府令で定める事項を定めなければならない。
3.

相互会社が行う第1項の保険契約に係る保険の引受けは、内閣府令で定める限度を超えてはならない。

(以下省略)

http://www.nn.em-net.ne.jp/~s-iwk/2010-01-01/kisoku/a033.html#a033-2

保険業法施行規則(平成8年2月29日大蔵省令第5号)
第33条(非社員契約)

3.

相互会社が保険者となる保険契約に係る第1号に掲げる額に第2号に掲げる額を加算した金額の第3号に掲げる額に第4号に掲げる額を加算した金額に対する割合は、20/100を超えてはならない。

元受保険契約のうち非社員契約であるものに係る保険料の総額

再保険契約(他の保険会社(外国保険業者を含む。以下この項において同じ。)を相手方として引き受ける再保険契約をいう。以下この項において同じ。)の保険契約者である保険会社ごとに、当該保険会社を相手方として引き受けた受再保険契約に係る保険料(以下この項において「受再保険料」という。)の総額から当該総額を限度として当該保険会社を保険者として締結した再保険契約に係る保険料の総額を控除した残額に、当該保険会社に係る受再保険料の総額のうちに非社員契約に係る保険料の総額の占める割合を乗じて算出される金額を合算した金額

元受保険契約に係る保険料の総額

再保険契約の保険契約者である保険会社ごとに、当該保険会社に係る受再保険料の総額から当該総額を限度として当該保険会社を保険者として締結した再保険契約に係る保険料の総額を控除した額を合算した額

端的に言うと、無配当保険の比率が大きいのが問題ではなくて*1、(保険契約者を社員*2とする)相互会社形態にあって、「非社員たる保険契約者」の比率が大きくなりすぎる*3ことが問題なのだろう。
2割の根拠とか気になるけれど、どうなのだろう。

*1:無配当保険しか保有していない保険会社も存在する

*2:保険相互会社で働く人のことは、職員と言う

*3:この規制がまったくないと、社員のいない相互会社、なんてヘンテコな事態が理屈上起こりうる。